このページでは酒にまつわる話や、エピソードなど書き綴っていきたいと思います。
 
 
VOL4 :お湯割りのススメ(H19.12.3)
 焼酎の飲み方にも様々ですが、やはり寒い時期には「お湯割り」が一番です。鹿児島ではこの湯割りが最もポピュラーな飲み方ですが、このお湯割りは黒糖焼酎をはじめ本格焼酎の持つ独特な甘みや風味を味わうのに最適な飲み方です。焼酎初心者の中にはお湯割りにすると香りが際立つため、香りに慣れないうちは苦手な方もいらっしゃいますが、慣れてくると味わい深く、じっくりと焼酎の味を楽しめる飲み方です。焼酎のお湯割りはお湯の割合を変えても風味や味が損なわれないので、自分の好みに応じてお湯の量を調節すればOKです。温めたお湯で割る事により焼酎独特のカドが取れ、丸くソフトで甘みの強調された味わいになります。
 それからもう一つの効能として、お湯割りにすると酔い覚めがスッキリと早いということです。もちろん適量を守らなければ意味はありません。それから変わった飲み方としてお湯では無くお茶で割ったり、お湯割りに梅干を入れたり、珍しい例としてパセリを入れたり、様々な飲み方があるようです。
このお湯割りですが、どうせ飲むなら少しでも美味しく味わいたいもの。ちょっと工夫をするだけでもっと美味しくなります。
工夫その@・・・お湯の温度と温め方
 お湯割りに最も適した温度はだいたい70℃前後と言われています。一番気をつけないといけないのが、沸きたてのお湯を使用してはいけない事です。あまり熱すぎると焼酎の成分が変質してしまい、味が損なわれてしまいます。人肌よりちょっと熱めが良いでしょう。なお電子レンジで温めたお湯は水の成分が壊れてしまいますので、ヤカンでじっくりと熱したお湯をポットに貯めておきましょう。電子レンジで科学的に温めたお湯は冷めるのも早いようです。
 
工夫そのA・・・軟水を使用すること!

 お湯割りに限らず、焼酎を割る際には軟水のミネラルウオーターを使用しましょう。水道水では残留塩素(カルキ)が含まれているため、味に影響が出てきます。電機ポットでカルキ飛ばし機能があれば、浄水器でろ過した水道水を使用しても問題ないと思われます。

工夫そのB・・・グラスに注ぐ順序
 お湯割りを作る際に最も注意したいのがグラスに注ぐ順序です。これは一般的に良く知られている事ですが、まずお湯を先に注いで次に焼酎を注ぎます。そうする事によりお湯の熱が上部に沸きあがり、まんべんなくお湯と焼酎が混ざり合います。この順序を実践するだけで味がだいぶ違う事に気付かれると思います。そしてできるだけグラスは保温性の良い厚手のものを使用しましょう。薄手のグラスやビニールコップでは火傷したり、熱で変形したりする恐れがあるうえ、冷めるのも早いです。

工夫そのC・・・自分に最適な濃度を
 最も美味しいとされる混ぜる割合は、アルコール度数が25度の焼酎だったら、焼酎6、お湯が4のロクヨン(6:4)が一般的です。この混ぜ具合だとアルコール度数は15度程度になり、日本酒よりちょっとアルコールが強い具合になります。でもこれはあくまでも一般的な目安であり、個人の好みによって5:5だったり、焼酎4にお湯が6であったとしても全然構いません。前述したとおり焼酎は濃度を変えても風味が損なわれたり、味が変わったりすることはありません。ちなみに私は5:5くらいで飲むのが好きです。あらかじめ自分適な濃度を調べておき、宴会の時など他の人に作ってもらう時はリクエストすればよいでしょう。くろじょかとちょく(猪口)
工夫そのD・・・できれば事前に割り水をしておく

 その場でお湯割りを作るより、事前に焼酎と水を混ぜておき(割り水)それを温めて飲むと、さらに味がまろやかになります。できれば陶器製の容器に軟水で作っておいたほうがベストです。ちなみに鹿児島では「黒ぢよか」という器に割り水しておき、それを炭火などの弱火で温めて飲んでいました。(右の画像) 普通はガスの火で熱する事はできませんが、強い火でも大丈夫な物もあるようです。

さあ、今度の冬は風情たっぷりにお湯割りで粋に飲んでみましょう!
寒い季節も楽しく過ごせること間違いなし!!
   
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