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 このページでは酒にまつわる話や、エピソードなど書き綴っていきたいと思います。
 
 
VOL3 :命の水、黒糖焼酎(H19.11.19)
   
泉重千代翁が長生きできた秘訣

  ご存知の方も多いと思いますが、数年前、奄美の伊仙町に長寿世界一だった泉重千代さんという方がいました。重千代翁は酒と タバコと女性が好きで、一見とても健康的とは思えないような好みだったにもかかわらず、120年と237日という歳月を生きました。翁の長寿の秘訣は、黒糖焼酎130mlに水3倍を加えて2合にして熱燗にして飲む事だったそうです。黒糖焼酎を飲みはじめたのは40歳頃で、若い時から飲んでいなかったことが長寿に繋がったのだろうという話もあります。奄美の恵まれた自然に囲まれて暮らし、一日の終わりに決まった量の黒糖焼酎を飲む。ささやかですが、決して都会では味わえない幸せな晩年だったのではと思います。
血管を詰まらせ、血液をドロドロにする血栓とは?

 重千代翁が毎晩飲んでいたという黒糖焼酎ですが、黒糖焼酎に限らず、焼酎には優れた健康増進作用があると言われてます。最も注目すべきは血液中の血栓を溶かす効果です。血栓とは血液を詰まらせ、痴呆症を引きおこしたり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしたりする原因になります。人間は60歳を超えると、ほとんどの人は血管が詰まってきます。もともと血栓は血液の流出を防ぐ、人間の体を守る上で重要な機能ですが、、役目を終えた血栓がいつまでも血液中に残っていると問題になるのです。若い時は血栓を溶かす機能も順調に行われますが、歳を重ねるにつれてその機能は弱くなります。
焼酎や泡盛に多く含まれる血栓を溶かすウロキナーゼの効果

 血栓を作る物質に、トロブキサンA2と言われる物質がありますが、その血栓を溶かす成分にウロキナーゼという物質があります。ウロキナーゼは焼酎と泡盛には多く含まれており、医療の分野でも血栓を溶かすために使用されています。それを多く含む焼酎、泡盛の持つ血栓溶解作用は、ビール、ワイン、日本酒、ウイスキーなど他の酒に比べてずば抜けています。この成分はアルコールの中に含まれるわけではないので、料理に使用してアルコール分をとばしても充分効果が得られます。ちなみに血栓溶解酵素は、通常の人体には400〜500くらい存在していますが、15度の本格焼酎や泡盛を飲むと2倍以上に跳ね上がります。これは以前健康ブームを起こした赤ワインの約1.5倍の数値になります。
焼酎には善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やす効果も!
先に述べた血栓溶解作用のほかに、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす作用もあります。コレステロール にはHDLコレステロール(善玉コレステロール)とLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の2種類があり、善玉コレステロールは、血管に付着する脂をとる働きがあるのに対し、悪玉コレステロールは、血管壁や細胞に沈着して動脈硬化を促進させます。
大切なのは適量を守る事
 健康増進作用に優れた焼酎ですが、 アルコールの取りすぎは、痛風・高血圧症などの悪化にも関与しますが、一番問題になるのは肝障害です。大量の飲酒を続けていると肝臓の細胞内に中性脂肪がたまっていきます。肝臓の細胞全体の30%以上に脂肪の塊が沈着した場合を脂肪肝と言います。 脂肪肝の原因には、色々ありますが、アルコールを毎日3合以上飲み続けると数年でアルコール性脂肪肝になると言われています。さらに飲酒を続けていくと、アルコール性肝線維症やアルコール性肝炎に進展します。前者は肝細胞の周囲に線維が増加していくもので、後者は肝細胞がアルコールのために変性・壊死を起こした状態です。いずれの場合も進行するとアルコール性肝硬変となります(5合以上を10年間飲み続けると危ないと言われています)。
大事なことは、どんな良薬にも適量が定められているように、焼酎も適量があるという事です。
 とにかくストレスが多い現代社会において、ついつい酒を飲みすぎる事もあると思いますが、やはり適量を守り、楽しく飲む事が一番の健康増進になると思います。あの重千代翁のように・・・
   
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