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VOL35:喜界島独特の施設 (H23.3.23)



島中に張り巡らされたパイプラインでサトウキビ畑に散水。
蝶の生息地を守るために
 喜界島には総工費約274億円近くを投じてつくられた地下ダムがあります。喜界島の大半は隆起サンゴからなる平らな地形のため大きな河川がなく、2,000mm以上の年間降水量がありながら、降った雨は貯水されることなく海へ流出してしまいます。喜界島の地層は、多孔質で透水性のよいサンゴ石灰岩からなる厚さ20〜40mの表層部の下に島尻層と呼ばれる不透水性の基盤(岩盤層)があります。ひと昔前はその隙間に溜ったわずかな地下水を汲み上げて使っていましたが、サトウキビ栽培に水が最も必要となる6〜10月の期間、それだけでは充分な水量をまかなうことはできませんでした。喜界島の地下ダムは海に向かって流れ出す地下水を地中で堰き止め、石灰岩の空洞に蓄えることを目的に建造された施設です。通常、地下ダムを建設する際は @地表部分を掘返すA地中に壁を造るBまた埋める。この作業を繰り返して造られていきますが、喜界島の場合その方法だとオオゴマダラの生息地を掘りかえさないといけなかったため、その地域を保護するべく地下に長いトンネルを掘り重機を運び工事を行いました。ダムが完成した後も観光用、見学用としてトンネルは残されています。そして地下ダムが完成したおかげで島民の生活用水だけではなく、島全体に全長40キロあまりのパイプラインを敷き、サトウキビ畑に設置したスプリンクラーから水を撒けるようになりました。以前は貯水池からタンク車に水を汲み上げ散水していたので、その便利さといったら計り知れないものがあります。
島全体に張り巡らされたパイプライン

地下ダムを建設する際に使用されたトンネル。現在は観光用として使用。
この窓で地下ダムに溜まっている地下水を見ることができる。

田舎の駅みたいな小さい空港
 喜界空港(きかいくうこう、KikaiAirport)は鹿児島県大島郡喜界町(喜界島)にある地方管理空港です。年間利用客数は、7〜8万人程度で、1931年に 旧海軍航空隊喜界島基地として開設され、1971年4月に第三種空港に指定されました。 奄美空港から約26km(16マイル)の位置にあり、飛行時間は僅か5分程度と非常に短いです。管制塔は無く、悪天候時における着陸等はパイロットの判断にまかせられています。空港の建物は通常の空港と比較してかなり簡素な造りになっており、田舎の駅みたいな感じです。ちなみに出入り口はサッシです。その中にちゃんと航空会社の制服を着たスタッフが仕事をしているので、ちょっと違和感があるかもしれません。飛行機の乗り心地はややうるさく、着陸時にはプロペラ機特有の「お尻が浮いている感じ」を体感できます。とにかく喜界島ののどかな雰囲気が満喫できる空港です。
もちろんプロペラ機しか発着しません
建物内のカウンター風景
田舎の風情が溢れる売店
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