このページでは酒にまつわる話や、エピソードなど書き綴っていきたいと思います。
     
  VOL8: 春の頃 (H20.3.14 )  
 
◆喜界島の春

3月に入り、南国喜界島もすっかり春の装いです。喜界島は保護蝶であるオオゴマダラや、日本国内を広い範囲で移動するアサギマダラなど珍しい蝶が数多く観測されることで知られていますが、今年は越冬中のリュウキュウアサギマダラの数も例年より多く観測されており、やはり地球温暖化の影響なのかな?と感じさせられます。また喜界島は隆起サンゴ礁の島であり、島の周りは美しい珊瑚礁で囲まれています。しかし、海水の温度があと3℃〜5℃程度上昇すれば、絶滅するだろうと言われています。地球誕生から約46億年経ったと言われていますが、地球が長い間かけて蓄えてきたエネルギーを、人間が一瞬にして大量に消費しているわけですから、自然界のバランスが崩れるのも無理もありません。それから春と言えば変温動物が冬眠から目覚める季節です。幸いな事に喜界島には南国の離島では珍しく、ハブが生息しておりません。これは喜界島が大陸から分裂してできた島ではなく、元々は海だった場所に珊瑚礁が隆起してできた島だからだと言われています。本当に喜界島って神秘的な島です。
◆お花見の由来・・・日本人の心を震わせる桜の魅力

   春の代表的な風物詩としてお花見があります。お花見と言えば「桜」ですが、残念ながら本土と違い喜界島では限られた場所でしか、まとまった桜並木は見ることはできません。でも澄み切ったコバルトブルーの海をはじめ、大自然のロケーションが豊かなため、桜の花は見れなくても、やろうと思えば島内のどこでも酒盛りができます。 昔から島の暮らしはお酒と強く結びついており、人と人とのコミュニケーションに酒は欠かせません。そしてやはりその土地の酒にはその土地の料理が一番合うものです。美味しい飲み方のページでも紹介していますが、意外な組み合わせとして黒糖焼酎と黒砂糖があります。焼酎に合う食物は一般的に辛いものと相場が決まっていますが、黒糖焼酎は香りが甘くフルーティなため、甘い食べ物と組み合わせても違和感無くスッキリと飲めます。これが他の焼酎と大きく異なる点です。
 現在の花見は宴会的な色が強く、花はあくまでも付録であり、お酒を飲んでワイワイ楽しむ事が主流となっていますが、もともと花見とは古来の日本では「祓い」の意を含んだ宗教的意味合いの強い行事でした。一般的な行事のように日時を指定し、野山に出かけ花を愛で、その下で楽しむことで、厄を祓(はら)い神さまと過ごすとされていました。かつては、秋の実りを願い、花の下でお祭りをし、花で収穫を占いました。開花は神様が降りられた証で、パッと散ると凶とされました。 ちなみに桜の木は山の神様が降りてくる際に目印にされる木とされており、神聖な木として認識されていました。お酒を飲むのは神様に供えたお酒をお下がりものとして皆で飲んでいた名残りです。さくらの「さ」は山の神さまを表し、「くら」は山の神さまのおられる座を意味し、桜の木は神様の依り代であるとされていました(「咲く」からさくらという説もあります)。ちなみに南九州地方の今年の開花予想は3月下旬ごろになるそうです。
 会社の帰り道、車の窓からふと目にした桜の花に心が奪われた経験はありませんか?(女性に心が奪われた経験ではありませんよ!) 桜を見て心に熱いものがこみ上げるのでしたら、きっとあなたは遙か昔から日本人として輪廻転生してきたに違いありません。
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