このページでは酒にまつわる話や、エピソードなど書き綴っていきたいと思います。
     
VOL16:鹿児島・奄美地方に伝わる焼酎文化、風習 (H20.12.16)
 みなさんも飲み会の席で、お酒を勧めたり勧められたりする事があると思います。私も成人したばかりの頃など、職場の上司や地元の先輩方に無理やり飲まされて相当鍛えられました。やはり普段から飲み慣れていないと酒に強くなれないのも事実です。特に離島の場合は都会と違い、人と人との繋がりが密接になるため、お酒が人とのコミュニケーションをとる上で重要な役割を担っています。島の人間には昼間に充分昼寝して体調を整え、夜になったらとことん酒盛りを楽しむ根っからの酒好きも居ます。それでは奄美の与論島に昔から伝わる風習と、鹿児島・宮崎地方に伝わる酒席の遊びを紹介します。
与論献奉(よろんけんぽう)

与論島への客人をもてなす習慣で、焼酎を人数分まわし飲みをする儀式です。

最初に、親(ホスト)となる人が大きな杯に親が決めた量の焼酎を入れて、自己紹介を兼ねた口上を述べてから飲み干します。この時に、杯をひっくり返して残っていない事を見せます。また、飲み干した杯に数滴残った焼酎を手のひらにとって自分の頭につけ、神(髪)に返します。次に、親が注いだ焼酎を子(ホスト以外の人)が飲み、杯を親に返します。このとき、子は受け取った杯を手から離して置いてはいけません。親はこれを子の人数分繰り返し、それが終わると親が交代しこれを繰り返します。ただし飲酒を無理強いするものでは無く、親が焼酎を注いでいる時に「トォー(与論の方言でストップの意味)」と言えば注ぐのを止めるほか、飲めない場合は杯をそのまま親に返しても良いとされています。その場合は親が代わりに飲みます。
元々は、琉球や薩摩から統治の為に送り込まれて来る役人への接待や情報を聞き出す為など、厳しい支配下に置かれる事の多かった与論島民が生き抜いて行く為の手段だったと思われます。また、親が最初に飲んで杯をひっくり返して見せるのは、毒物を入れていないことを役人に見せて安心させる為に行った名残りだそうです。
ナンコ

鹿児島に古くから伝わる酒席での遊びで、酒席を盛り上げてお客との親睦を深めるものです。慶長3年(1598)島津義弘が朝鮮の役から帰国した際に始められたのが最初と伝えられています。ナンコが始まるのはある程度焼酎が入ってからで、ナンコ盤を前に二人で向き合い、お互い三本ずつのナンコ珠を持っていて、両手を後ろに回して隠しておき、その中の何本かを右手の拳で隠しながらナンコ盤に突き出し、何本持っているかを当てる遊びです。後手の人は拳を開く時、ナンコ盤の上にバシッとナンコ珠を置き、気合鋭く数当てをします。その勢いのすごさは、場が盛り上がる程に激しくなり、時には格闘技を思わせるような場合もあります。ナンコをする時は審判役がそばに居て、お盆に焼酎をついで勝負を見守り、負けた方には焼酎を飲ませます。勝った方にも「花」と称して献杯をすることもあります。ナンコは相手が持っている本数を言い当てたり、双方合計の本数を言い当てたりしますが、本数の呼び方に独特の用語があり面白いものです。

ゼロ なし、風(フウ)、お手パラ(あなたの手中はゼロ)、オイヤラン(誰もいない)
一本 一丁、一人者、天皇陛下、大統領(共にこの世に一人)、ウゼケンに一人、
電気ンバシタ(電柱)、稲田のカカシ、一本
二本 下駄ン歯、ジャン、ジャンボ(両棒)、オンジョンボ(夫婦)、夜明け
三本 インノシベン(犬の小便)、下駄ン目、鍋こしい、三本
四本 蚊帳ン釣手、シンメ(四枚)、鶏が二匹(足が四本)、菜の花、蚊張ン釣手、四本
五本 ゴンメ(五枚)、片手(五本)、ゴンジュウ(五十)、五人め、五人め餅、五本
六本 スッパイ(全部)、ケネジュウ(家内中)、ウゼケンイッペ(世間一杯)、
アイタケ、六本
その他の数え方 ズッ(同数)、ドッコイ(同数)、
アニョ(兄の意、自分より一本多い)、
オトッ(弟、自分より一本少ない)

このように昔から酒を通じて作り上げられた文化・風習などは大切に守っていきたいですね。
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