
◇最終回
フーゼル油の酸化を防ぐために様々な対策がとられるようになりました。この酸化は、高温、日光(紫外線)、空気(酸素)によって促進されるため、容器が、透明瓶から茶色など色付き瓶が用いられるようになり、さらに濾過技術の発達により、丁度いい具合にフーゼル油を取り除く事が可能になりました。極限まで除去したい場合には、減圧蒸留と言われる沸点の低い蒸留を行うと、フーゼル油は気化されず醪の中に残る事になります。このように減圧蒸留とイオン交換樹脂による精製などにより、近年好まれている軽くてクセの無い爽やかな飲み口の焼酎が製造されるようになりました。ただ、あっさりしすぎて面白くないという一面もあります。
熟成酒といえばウィスキーやブランデーが思い浮かびますが、濾過技術の進歩により焼酎のフーゼル油の塩梅がコントロールされ、長期熟成による悪臭の影響は軽減されました。このように技術の進歩は、お酒の可能性をどんどん広げており、これからも新しいお酒が誕生する事でしょう。(終わり) |
南海日日新聞掲載分
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(其之27)

高いアルコール度数を誇るウオッカの中でも、最も強い酒がポーランドで生産されている「スピリタス」です。アルコール度数が96度という、お酒の限界に近い強さを持っています。ストレートで飲めば、舌と喉を一気に焼いてしまうので、喉に放りこむように飲むしかありません。ほぼ純粋なアルコールであるので、簡単に火が着いてしまいます。
一般的な使い方としては、カクテルなどアルコール度数を補強するために使われます。ウオッカカクテルとして有名な「ブラッディ・マリー」は、本格的なレシピに基づいて造る場合、「スピリタス」を「クラマト」と呼ばれるアサリのダシ汁を入れたトマトジュースで割り、これに胡椒とタバスコを垂らします。 |


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